B5「ヴォイドを表現する」

ヴォイドには、空虚、不在、欠損、無効といった意味がある。それは、常にある状態(均質)が存在するということとの対の関係の上に成り立っている。つまり、何かの不在がヴォイドを定義づける。また、逆説的にヴォイドを定義することで、その対となる状態や状況の本質を浮き上がらせることも可能となる。
各自の自由な解釈のもと、ヴォイドを3次元的に表現してください。

提出物:立体
(サイズ指定:一人で持ち運べる程度)
出題:  2017年5月24日
提出:  2017年5月31日  13時半厳守
講評:  2017年6月07日

(出題:小林)

 

A ++ 1x16a171 吉村佳津司

12

新聞から広告や見出しを切り抜いている作品。それにより、残った紙面は均一な活字の集まり、もしくは画一的な情報としての表情が浮かび上がる。また不在としての見出しや広告が実は現代社会を埋め尽くし、自由をうばっているという見方も出来て奥深い。( 小林)

 

A ++ 1x16a122 林実穂

16

関節ヴォイド 人体模型(右手)人体の骨以外の部分には何が入っているのか?水、空気、血管、筋肉… それら全ては可変体であり、骨をマッスにしたときにヴォイドになるものである。人体の不思議の中に空間を発見した視点が面白い。(山村)

 

A ++ 1x16a065 佐藤大哉

16

座席が不在でvoid 化された車両。人や物を運ぶ機能が最大化されたとも言えるし、その機能をも無効化しているとも解釈できる。広告が残っているところも意味深で気になるポイント。( 三浦)

 

A ++ 1x16a028 オウ キ

12

指示の通り、コンクリートブロックを振ってみると何やら中から鈴の音が聞こえる。音が聞こえることによって初めてコンクリートブロックに内部(void) の存在が発生し、意識の介入を促してくる。射程の広さを感じる作品。(TA和田)

 

A ++ 1x16a036 大庭檀

2

棒のない鉄棒、座面のないブランコ、斜面のない滑り台が表現しているのは、機能を失った公園でありながら、同時に束縛から解放されている気がする。機能の欠如は公園を取りまく機能に縛られた社会を同時に暗示していて面白い。(小林)

 

A ++ 1x16a057 栗山亮

12

望遠鏡の内部に覗いている対象である天体が閉じ込められている。本来果てしなく遠くにあるものが筒の中に像を結び、拡大されて見える。void である筒の中に膨大な夢(天体)が詰まっていることを感じさせる作品。(TA和田)

 

A ++ 1x16a054 吉川伊織

24

宇宙空間における惑星の軌道を主題にした作品。自分の星より内側にあるものをソリッドとする考え方は疑問だが、精巧な作り方には共感できる。しかし宇宙コンセプトが作者自身とどのくらい深い関係があるのかが重要である。(山村)

 

A ++ 1x16a072 清水一樹

17

垂直水平方向で構成された面を斜めに6 角形の形がくり抜かれている。一見バラバラな面の集まりが、一つのヴォイドがあることによって、一体化するところが面白い。ゴードン・マッター・クラークやデ・ステイルを思わせる。(小林)

 

A ++ 1x16a174 渡邊円

13

ある曲の歌詞を虫喰いにした作品。歌詞の一部が隠蔽されるだけで意味を転換させている。不在による自由を端的に表現した作品。(早田)

 

A ++ 1x16a041 粕谷彩乃

15

石鹸をくり抜いて図と地の関係を表してるが、内部をくり抜かれた塊は一見分からないため、使っているうちにvoid が現れ、その形状が刻々と変化していくvoid の時間的変化をスマートに表現している作品。( 三浦)

 

A ++ 1x16a049 亀田琴未

14

浮遊する物体。磁石の原理を用いて上部構造が浮遊している。その中空にヴォイドを表現している明快な作品。二角にある塩ビ板が残念ではあるが、上手くやると建築模型としても成立する予感を抱かせるのが好感が持てる。( 山村)

 

A ++ 1x16a173 輪島優一

26

埼玉県の人口分布をボリュームで表現することにより、空壁(void) を顕在化させている。void のグラデーションをインフォグラフィクス( インフォモデル? ) として表現している。いろいろな展開ができそう。( 三浦)

 

A ++ 1x16a166 吉岡桜子

3

シアンとマゼンダがグラデーションになって小瓶の中に閉じ込められている。徐々に色が分解されて、消えていき、無色透明のヴォイドになる。イヴ・クラインの空虚展( 第一物質における感性を絵画的感性へと高める特殊化展) のコンセプトは、空間に何も展示しないことによって人の心の中に感性を閉じ込めてしまうというものだった。” 見えるものを見えないものに”、” 見えないものを見えるものにする” という手法は大切でそういう意味でこの作品はいいと思う。(TA 鈴木)

 

A ++ 1x16a081 鈴木新

16

” 何か” が詰め込まれたコンクリートの塊を腸詰めにした作品。重厚なコンクリートによる被膜をさらに梱包することで、質感としても存在としても不穏な状態として表出している。( 早田)

 

A ++ 1x16a089 高橋秀介

17

中心がくり抜かれた、大きな塊の内外が加工された作品。ヴォイドによる空間の連続、不連続を垂直に表現した作品であるが、このヴォイドの先に何があるのか、何故ハリボテなのか疑問の残る作品。( 早田)

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