B6「群れ」

我々がひとつの対象を認識するとき、さまざまなレベルで一般化(タイポライズあるいはカテゴライズ)することで、「見慣れぬもの」を「見慣れたもの」へと変換しようと試みます。初めて見るものを、すでに知っているどこかの「群れ」へと導く作業ともいえるでしょう。

多様な価値観が共存する現在、ぼくたちはさまざまな「群れ」(あるいはコミュニティ)に属し、あるいは属さないことで、自分の生き方を体現していると言えるかもしれません。またひとつの「群れ」を注視しても、そのなかにちいさな差異が存在し、そういった差異の総体によって「群れ」の全体特性が現れているとも言えます。

ひとつとして同じでない「個体」があるルールによって「群れ」化することで、新しい主体が生まれ、豊かさや強さ、美しさを創出している瞬間を捉え、ドローイングによって表現してください。

提出物:ドローイング275x275mm

枚数:表紙+2枚以上

出題:5/31(水)

提出:6/7(水)1330厳守

講評:6/14(水)

(出題:三浦)

A+++ 1x16a071 嶋田由樹菜

147

無数のバレリーナで構成される 白鳥の迫力にただただ圧倒され る。個と群の認識が行ったり来 たりすることを鑑賞者が心から 楽しむことのできる作品。文句 なく最優秀の力量です。( 三浦 )

 

A+++ 1x16a061 小浜まほろ

57

「1 日が終わる」と題された、夕 暮れの一瞬にだけ、すべての光 が群れとして、立ち現れる様を ダイナミックに描いた傑作が、 まるで眼前に在る街の空間が同 一の意志を持ったかのように感 じる ” あの一瞬 ” を見事に捉え ており、胸が熱くなる。( 早田 )

 

A+++ 1x16a125 原田佳典

47

二席の船が互いに別々の進路を目指して進 んでいる。しかし、その二隻はただの船で はない。 軍艦の上に、様々な建物が積み上げられ、 しかもその重力は狂い、様々な向きに傾け られ積層されている。 大航海時代には船は他国文化の象徴であっ た。貿易を目的として発展していった大型 船だが、この二席の対比は何なのか? そこの答えに期待が寄せられる。( 山村 )

 

A+++ 1x16a009 五十嵐萌乃

45

普段は食器棚の中で、分類別に 分かれているもの同士が、水切 りという一時にだけ群れをなす という見方がおろしもい。 同じ境遇による「群れ」を日常 的な風景の中に見つけているの も良い。( 小林 )

 

A+++ 1x16a054 吉川伊織

67

「キンモクセイ」と題された、木合 板に彫り込まれた幹・枝の上に脱 色された葉が散りばめられた作品。 生命としての葉の群れが脱色され 平面化され、存在が希薄になるこ とで逆説的に強調されている。秋 を待つ、初夏のキンモクセイの生 命感までが浮き彫りにされている 大作である。( 早田 )

 

A+++ 1x16a016 稲坂まりな

9

少女の頭の中の構造を可視化したもの。 実際に、様々に建築を考えていながら宇 宙の世界まで思考を馳せている情景が丁 寧に描写されている。 お花→建築→都市→宇宙へ、その四層構 造の群れがスケールをかえて縦断してい るのがよい。 ただ、そろそろ宇宙テーマを脱却しても いいのでは? ( 山村 )

 

A++ 1x16a081 鈴木新

1

着色した米粒 !? を連ねて世界地 図を作っている。 一つ一つ大きさや形状の微妙に 異なる粒が集まって一つの具象 を作り、それが集まって世界地 図となる ” 入れ子構造 ” が群れ のシステムを表している。( 三 浦)

A++ 1x16a002 秋山曜

46

水 =H20 の群れは、その状態に よって様々な形態に変化するこ とを看破した作品。 青地の背景に白鉛筆で丹念に描 かれており清潔感のある作品。 一滴の水滴が群れることで入道 雲になると理解することもでき る明快な作品。( 山村 )

 

A++ 1x16a070 嶋田千秋

4

雪解けというごく限られた時間 と現象の中に「群れ」を見てい るとても良い作品。また、地続 きでは逆に群れが感じられない もの同士を、雪という空白がつ なげるという高度な捉え方をし ていて好感が持てる。( 小林 )

 

A++ 1x16a008 有森実希

45

スタジアムに多勢の人が同時にいても、それは「群れ」とは言えず、ジェット風船が一斉に飛 ばされた時に初めて「群れ」を感じている。 タイトルの「感動の共有」は「共有の感動」とも読み取れる。(小林)

 

 

A++ 1x16a059 小田切寛樹

5

点描という手法を用いてミカン をどんどん分解していく。最後 の果肉一つとして同じものはな いのに、総体としてのミカンは ある一定の同一性が保持され る。” 群れモデル ” の明快な解答。 ( 三浦 )

 

A++ 1x16a012 石田彩果

56

群れ」を納豆の粘りで表現し ている。「大豆」というタイト ルであることから、バラバラな 豆の状態が納豆の醗酵になった 時に群れという形に変わるとい う視点は面白い。( 小林 )

 

A++ 1x16a146 水野結唯

57

一人の少女の頭の中に群れている様々な 思索。 彼女の日常に関連するものが群れて。彼 女の思考を形成していることがてにとる ようにわかる作品。言葉の羅列が歌詞な のか、詩なのかがわかりにくいが、そこ に描かれた内容は迷える建築学科二年生 の頭の構造を表出しているといえる。 また、物と言葉の立体関係が絶妙な重な り具合を持っていて、脳裏の空間を感じ ることができる作品である。( 山村 )

 

 

A++ 1x16a022 上田留理子

57

「異質」と題されたリンゴの群 れを描いた作品。 同一種であるリンゴも、群れの 中では個別の個体であり、色艶 も蜜の入り方も、タネの大きさ も違う。そんな当たり前のこと も克明なタッチで描きこまれる と改めて訴えかける強さが在 る。( 早田 )

 

A++ 1x16a148 宮嶋雛衣

10

“No.1″
ゴッホの有名な絵画の模写。
MoMA でこの絵を見た時、人だかり がすごかったのを思い出すが、作者は ゴッホの筆のタッチの ” 群れ ” で風景 を作ることに着目したのだろう。 題名に No.1 とあるが、この絵がゴッ ホの手法のスタディのように思えて良 い。No.2 や No.3 も見てみたい。(TA 鈴木 )

 

A++ 1x16a166 吉岡桜子

 47

「ムレノマチ」と題された、渋 谷の路上風景に在る ICON をこ とごとく人間に置き換え、街の 雑踏を群集として表現した作 品。独特なペン画のタッチで描 かれた単純化された風景に日常 のズラしとしての説得力を感じ る。( 早田 )

 

A++ 1x16a029 王洪宜

5

日常生活で出会う様々な群れが 色鮮やかな一つの流れとなって 優しく巡る。 水彩のタッチとモチーフがとてもよく合っている。こんな群れだったら囲まれてもいいかも。 ( 三浦 )

 

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