ここちよい密度とは何だろうか?
低密度・中密度・高密度の三つを表現しつつ、最適な密度を表現して下さい。
立体的平面。
サイズは自由。
出題日 6月21日
提出日 6月28日
講評日 7月5日
(出題:山村)
A++ 1x16a099 任田良平
三浦折りで編まれた平面的立体作品。アイディアは自分のものではないにしても平面と立体の横断は良くできている。また立体時の多様な用途を想像できる発想はよい。(山村)
A++ 1x16a072 清水一樹
水中に浮かぶ22 個の磁石がアクリルボックスに密閉された作品。自由に動き回るかにみえる磁石が、常に最適な” 密度” で集合している。視点も発見も新鮮で秀逸な作品である。(早田)
A++ 1x16a021 上杉謙虎
紙粘土(?) にいろいろな密度の穴を開けているが、その密度の違いや穴の大きさによって人工物と自然物の間にある微細なバランスを浮き上がらせていて面白い。(小林)
A++ 1x16a103 中尾直暉
竹ボウキを短冊状に分割し掲示する。分割し比較することによって本数、広がり、太さなどが傾向を持って変化していくことが顕在化される。(三浦)
A++ 1x16a112 成瀬光希
「豆25g」と題された3 種類の豆を25gずつにお手玉にした作品。見た目は同じ3 つのお手玉が入れられた豆によって違う音、違う肌触りを楽しむことができる。やわらかい発想で密度を表現している点が良い。(早田)
A++ 1x16a081 鈴木新
同じ速度で進む針の速さでありながら、刻む単位が異なることで、時間の密度を表現した作品。しかしながら、であるならば進む速度は異なるべきではないのか? (山村)
A++ 1x16a011 石黒翔也
匂いの密度の中に丁度いいバランスを見つけ出しているところが良い。同じ匂いの中に丁度いい密度を見つけるのではなく、匂いの種類の量の違いにしてしまったのがもったいない。(小林)
A++ 1x16a006 荒川怜音名
同じサイズの紙を異なる折り方で比較すると、伸縮率が変わり、紙のサイズやプロポーションも変わっていく。複雑な折り目が美しいリズムで「立体的平面」の問いに素直に答えている。(三浦)
A++ 1x16a012 石田彩果
情報の密度を視覚化した作品。QR コードの密度は実は情報と関係がない。なぜならば、URL 上のネット空間は質量がないからである。その矛盾はどう考えるかを問いただしたい。( 山村)
A++ 1x16a016 稲坂まりな
立体的平面という課題に対して、しっかり向き合っている。絵の中の線と空の密度の違いを表現しているが、その対象が自分の世界の中に留まっていることが気になる。(小林)
A++ 1x16a114 西松慶
4 つのガチャガチャの容器に、コイン、石、テッシュが詰められた物と、空洞のものが一つ。密度は、質量÷体積で求められる。今回体積が一定に定められた時に密度が重さとなって表現される。その時に「最適」というパラメーターを「投げやすさ」という個人の身体に委ねた所が新鮮で面白い。ただ外側のマスキングテープは幼稚。(TA和田)
A++ 1x16a159 山川冴子
繊細な立方体フレームとひもブレースによるかよわい造形。ゆがめられた立方体が見る角度によって平面的にも感じられる。テンション材のデザインによってフレーム全体の挙動が変わって欲しかったが、そこまでは到達してないのかな?(三浦)
A++ 1x16a002 秋山曜
「影の密度」
美しい模型。色の編み込みの密度によって透過する光の量が変わる。ゆるやかにカーブしていることによって光の表情多彩にしている。(TA鈴木)
A++ 1x16a163 山本沙良
「Arc」と題された溶接密度? の違う3種類のビードを表現した作品。溶接棒の太さや溶接温度の違いによって、ビードの見た目も異なるが、鉄板にかかる熱によって鉄板自体の組成やテクスチャーが変わることにまで意識されているとおもしろい。(早田)