C3 現代の「驚異の部屋 」(Wunderkammer)

「驚異の部屋」(Wunderkammer) とは、1 5 世紀から1 8 世紀のヨーロッパで、一部の貴族の間で盛んだった珍品の集積を収めた部屋や棚のことで、他にも「記憶の舞台」、「世界の劇場」とも訳される。もともと修道院や聖堂などの奥に聖遺物を保管・陳列していたことに端を発するといわれており、その後薬剤師などの収集癖が次第に度を超えて、博物館の前進にいたるまでに展開していく。

剥製や貴金属、珊瑚や植物、絵画や幾何学模型まで、一見なんの脈略のない自然物や人口物がところ狭しと空間を埋め尽くしているようだが、それらは同時に収集家自らが再編したもう一つの「世界」であり、許されたものだけが向かい入れられる隠された真実でもあったと言える。各自の見る「世界」を収めた「驚異の部屋」空間を描いてください。単純に趣味の部屋という次元を超えた先の、己の中の真実、自分を介した現代の本質等が凝縮された空間を期待したい。

出題:10/25

提出:11/1

講評:11/8

 

A +++ 1x16a071 嶋田優樹菜

1810

現実世界と想像の世界を対として描いた作品。描かれたもの全てにおいて、対の関係があり、単なるファンタジーが目立つものの、中には本質にふれていそうなものもあり、本人の考えが気になる。本課題においてとにかくひたすら描ききったのがいい。( 小林)

 

A +++ 1x16a081 鈴木新

6

禁断の果実” 恐怖”

驚異の部屋の面白いところは、何の脈絡もないものがひとつに集まっているということだと思う。この作品も断片的な夢のような構成でひとつひとつのシーンのつながりは見えてこない。しかし複数の視点やストーリーが交雑していくところに、何らかのサスペンスを感じる。( 鈴木)

 

A +++ 1x16a002 秋山曜

41

「光」を収集した部屋。異なる光を集めていく先に、空間が生まれ建築と化していく様が伝わってくる。バラガンを思い出して、スティーブンホールを思い出して、で気づいた。建築家の作品を収集したのか。その違いは大きい。( 小林)

 

A ++ 1x16a061 小浜まほろ

46

「窓から」と題された、夕景ん川辺から山合いに沈む夕日までの街の様子を切り取った作品。これだけの景色が一望できるのであれば確かに驚異であるが、作者自身が何を収集しているのかありのままの風景を超えて、何を再編しているのかを問いたい。( 早田)

 

A ++ 1x16a059 小田切寛樹

57

自己の内面に描き出された扉が描かれている。扉を開けるという行為は、別の空間へ接続する行為であると言える。一つ一つの扉の先には、それぞれ別の部屋が広がっているのだろう。おそらく作者自身さえ勘付いていないような扉さえ存在しているのではないか(和田)

 

A ++ 1x15a014 石田有里

45

” しまう”

ドアを開けて部屋に入ると、そこには窓と机と棚が目に止まる。窓は普通で机は平坦であり、棚は異常である。ハラペコ青虫やミューシャ、ゴッホ、ダリの絵が見られると思いきや、一対の人間の姿がある。うつむきの少年とのけぞる少年。一体何が起こったのか。引きだしを開けると、子どもの頃の思い出がしまわれているが、よく見ると、収めることができない。つまりしまわれない記憶が提示されて、制作者の心の内を垣間みて終わるのである。( 山村)

 

 

A ++ 1x16a065 佐藤大哉

61

四つの空間が並べられている。それらは実在する空間なのか。断片的な記憶の集積なのだとしたら、一枚目が明快すぎて少し余計に思えてくる。(和田)

 

A ++ 1x16a125 原田佳典

45

東方見聞録として、旅先での様々な体験や経験がまとめられている。タイ、中国などに異なる日時に旅していることが伺える。旅先を故郷として捉え、そこに己の内部を見いだそうとしているのか?課題に答えきれてない印象がどうしても否めない。(和田)

 

A ++ 1x16a012 石田彩果

51

臓器の生々しさや虫や薬などを組み合わせて描くことで、この中の世界観をよく表現している、ただ三面鏡にすることで何が描きたかったのかはわからない。( 植村)

 

A ++ 1x16a043 加藤公花

3

電車がレール上ではない場所を走っている。空よりも暗い草が生い茂る中を描くことにより、自分が思い描いていた人生のレール上ではない場所にいる内面を表出させている。電車の中の女の子は積まれた本の上でうずくまっており、嘆いているようにも見える。2枚のうち1 つはモノクロであり、もう1 枚はカラーで描かれているが、絶望の中にもカラーで内面を描くことにより、少しの希望を見つけようとしているのかもしれない。( 植村)

 

A ++ 1x16a173 輪島優一

41

“Communication”

人類の伝達手段はいかに発展してきたのか。古代よりありえる伝達手段の道具を集めた「驚異の部屋」。象徴的に携帯電話が壁に掛けられ、伝書鳩、モールス信号、光ファイバー、あらゆるものが集められたまるで人類不在の未来に存在しえる風景であるかのような作品。しかしながら、掲示板や電話などアナログのものがどこか懐かしく、現代の手違い的な技術の進歩を見透かしている批判的な作品である。

 

A ++ 1x16a010 石井万友奈

41

「弾ける感情工場」と題されたココロの住人をコミカルに描いた作品。驚異するほどのものは何もない。ごく平凡な少女の感情の中に一体何を留め込んでいるのか。( 早田)

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中